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母系的社会の道徳心
森田 勇造 著
四六判 並製 頁 ¥1600+税
ISBN978-4-86251-212-3 C0036
明治維新後のめざましい近代化、世界が驚いた戦後の復興そして経済成長は、どうして可能だったのでしょうか? その根底を支えてきたものとして日本人が潜在的にもつ道徳心があげられます。
戦後70年を経た今日では、多民族、多文化の欧米中心の価値観や文化観が世界を席巻しています。かたや日本には単一民族に近い中で培われてきた〝信頼〟に裏打ちされた「道徳心」が育まれてきました。利己的な精神が強い欧米の国々とは違い、社会秩序を保つための善を促し、利他的な精神が強い日本は、他国とは段違いに道徳心の篤い国となったのです。この精神的な基盤があったからこそ、世界に比類ない発展と繁栄を築くことができたのですが、グローバル化の波に洗われ、日本人の心の文化遺産、心の遺伝子ともいうべき道徳心が、年々希薄になってきています。
本書は、道徳心とはどのようにして形成され、社会に対してどのようにはたらくか、薄れゆく心のDNA・道徳心をいかにして伝えてゆくか等々、道徳心を再認識するためのさまざまな事柄をあつく論じています。
目次
序章
一 自然災害の多い日本
1 自然現象は知恵の根源 2 災害を乗り越えてきた日本人
二 日本は地域社会の集合体
1 社会のあり方 2 日本古来の母系的社会
3 稲作農耕民にとっての天皇と大嘗祭
4 個人化より先に社会化 5少年期の予防対応
6 地域文化の伝承と青年活動 7地域の社会人が日本人
三 心のDNA(遺伝子)、道徳心
1 日常的文化のあり方 2 地球上の文化の違い
3 文化としての心情 4 日本的信頼社会
5 日本人の心、道徳心
6 日本の夫婦同姓は信頼社会の基本
四 文化としての繁殖戦略
1 動物的な繁殖戦略 2 文化としての性と結婚
五 道徳心と老後の生きがい
1 危機管理能力としての生活文化
2 長寿者の生きがいと道徳心
3 生活文化としての正月
あとがき
前書きなど
人類の本質はなかなか変わりませんが、人類が営む社会のあり方はどんどん変化、発展しますので、これまでのように欧米中心的価値観、特にアメリカ的価値観や文化観が、これからも世界を席巻するとは限りません。
アジア大陸東端の先にあり、周囲を海に囲まれた日本の生活文化は、比較的自然環境に恵まれたこともあり、世界的には珍しく、信頼心や絆の強い信頼社会で人間賛歌に富んでいました。
第二次世界大戦以後の日本の学者の多くが欧米、特にアメリカの社会学、経済学、法学、教育学などを学び、日本の生活文化を十分に知らないまま座学的学問の世界観、価値観で日本を見がちでした。
世界の中でも特異な生活文化の日本を、欧米化させようと煽動する学者が評価されがちであった、戦後七〇年間は文化的革命時代で、欧米化した日本人の多くが、日本人の文化遺産としての心の世界を見失いがちでした。
しかし、これからの混とんとした科学的文明社会をより安全に継続するには、世界に誇れる日本人の心としての文化遺産である〝道徳心〟が、いっそう必要になっているのです。
ついては、これからいっそう発展する科学的文明社会日本に、ますます必要になる生活文化としての道徳心について、教育人類学における野外文化教育の観点を中心に、民俗学や民族学と、これまでの世界各国探訪の経験を織りなして、推考してみようと思います。
執筆者など
昭和15年高知県生まれ。
昭和39年以来、世界(142カ国)の諸民族の生活文化を調査し続ける。同時に野外文化教育の研究と啓発、実践に努め、青少年の健全育成活動も続ける。元国立信州高遠少年自然の家所長。元国立大学法人東京学芸大学客員教授、現在、公益社団法人青少年交友協会理事長、野外文化研究所所長、野外文化教育学会顧問、博士(学術)、民族研究家、旅行作家。
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