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政策過程の理論分析

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日本大学法学部教授
岩崎正弘 著
A5判 並製 251頁
ISBN978-4-86251-134-8 C1031

国の政策は、どのように決定されるのか。また、政策はどのように実施され、どのようなアクターが一連の政策決定および実施の過程に関与しているのだろうか。本書では、政策過程に関する代表的な14の理論ないしモデルを紹介し、検討している。既存の政策の分析に役立つだけでなく、今後の政策を考える際の手掛かりも提供する。

目次

序章 政策過程の理論を紐解くために
 1 なぜ「政策」に注目するのか
 2 政策とは何か
 3 政策の中身か、政策の取り扱いか
 4 本書の構成

第1章 ラスウェルの政策科学
 1 危機の時代とラスウェル
 2 政策科学の構想と展開
 3 政策科学の挫折
 4 政策科学の意義

第2章 キングダンの政策の窓モデル
 1 政策過程の現実
 2 政策過程における「政策の窓」
 (1)組織の意思決定
 (2)政策過程における三つの流れ
 (3)「政策の窓」と政策転換
 (4)モデルとしての説明力
 3 政策過程理論としての「政策の窓モデル」
 (1)理論の一般性
 (2)理論の予測性
 4 政策過程についての規範的考察と「政策の窓モデル」

第3章 ローズの政策ネットワーク論
 1 政策ネットワーク論
 2 ローズ・モデル
 3 ローズ・モデル後の政策ネットワーク論
 4 政策ネットワーク論の可能性と課題

第4章 ピーターズ&ピーレのガバナンス論
 1 「ガバナンス時代」の国家とは
 2 国家中心アプローチの射程
 (1)ガバナンス論の背景
 (2)社会中心アプローチ
 (3)社会中心アプローチへの理論的対抗
 (4)国家中心アプローチの「ガバナンス」概念
 (5)「国家の空洞化」論への疑問と「ヒエラルヒーの影」
 (6)再び「国家の時代」へ?
 3 ガバナンス論の分岐と収斂
 (1)ガバナンス論の三様化
 (2)二つのアプローチの接近
 4 国家中心アプローチと社会中心アプローチの交錯

第5章 ツェベリスの拒否権プレイヤー論
 1 ツェベリスの挑戦
 2 拒否権プレイヤー論とは
 (1)ツェベリスはなぜ政策に注目するか
 (2)拒否権プレイヤー
 (3)現状打破集合と現状打開圏
 (4)政策安定性
 (5)政策安定性が高いとどうなるか
 3 アジェンダ設定の重要性
 (1)合理的選択制度論への批判と反論
 (2)アジェンダ設定の各国比較
 4 拒否権プレイヤー論の発展

第6章 ブキャナン&タロックの公共選択論 
 1 人々の行動と公共選択論
 2 公共選択論による合意の形成
 3 公共選択論を含めた合理的選択論の系譜
 4 効率的な合意形成への適用

第7章 ピアソンの歴史的制度論
 1 歴史的制度論
 2 ピアソンの「歴史的制度論」
 (1)経路依存
 (2)タイミングと配列
 (3)長期的過程
 (4)制度の起源と発展
 3 制度の変容とアクターへの視点
 4 歴史的制度論の功績と今後

第8章 シュミットの言説的制度論
 1 制度変化を引き起こすアイディアと言説
 2 言説的制度論の射程
 (1)「第四の新制度論」としての言説的制度論
 (2)言説的制度論の基本的概念
 (3)言説と政治制度の関係
 (4)福祉国家改革の比較事例研究
 (5)言説と民主主義
 3 言説的制度論の理論的課題
 (1)制度の「断続平衡」観
 (2)言説的制度論と制度進化論の接合可能性
 4 来し方、行く末を考えるツールとしての言説的制度論

第9章 トゥールミンの「議論の技法?トゥールミン・モデル」
 1 民主主義における政策と議論
 2 政策の議論の構造とトゥールミン・モデル
  3 政策の議論の検証・分析とトゥールミン・モデル
  4  政策の議論についての今後の研究とトゥールミン・モデル

第10章 ウェーバーの官僚制論
 1 批判と肯定の狭間で揺れる官僚
 2 官僚制の合理性と永続性
 (1)正統的支配の三つの純粋型と官僚制的支配
 (2)近代的官僚制の機能様式
 (3)官僚制形成の前提
 (4)官僚制的装置の永続的性格
 (5)官僚制化の経済的・社会的結果
 (6)官僚制の勢力
 (7)教養と教育の「合理化」
 3 官僚制の逆機能
 (1)ウェーバーの官僚制論の受容と批判
 (2)マートンの逆機能論
 (3)ゴールドナーの逆機能論
 4 官僚制の行く末

第11章 リプスキーの第一線公務員論
 1 対人サービスとしての行政
 2 第一線公務員と裁量?リプスキーの分析?
 (1)政策実施研究と第一線公務員
 (2)第一線公務員の立ち位置
 (3)第一線公務員の職務を取り巻く状況
 (4)第一線公務員と行政サービスの対象者との関係
 (5)第一線公務員による「定型化」と「単純化」
 (6)対象者の統制、資源の節約
 (7)対象者処遇のメンタリティ
 (8)対人サービスに対する締め付け
 (9)改革と再構築のための提言
 3 裁量にどう向き合うべきか
 4 行政の縮小と第一線の担い手の変貌

第12章 アリソンの『決定の本質』
 1 国際政治学での国内政策決定過程への注目
 2 アリソンの『決定の本質』と三つの概念モデル
 (1)第一モデル?合理的行為者モデル
 (2)第二モデル?組織過程モデル
 (3)第三モデル?政府内(官僚)政治モデル
 (4)多面的な分析の必要
 3 『決定の本質』後の対外政策決定過程の分析
 4 『決定の本質』と日本の対外政策決定過程

第13章 パットナムのツーレベルゲーム
 1 国内政治と国際政治の交差
 2 パットナムの「ツーレベルゲーム」モデル
 (1)国内と国際政治の「もつれ」
 (2)ツーレベルゲームとは何か
 (3)ウィンセットの形成を左右する三つの要因
 (4)ツーレベルゲームにおける不確実さと交渉戦略
 (5)交渉責任者の役割
 (6)ツーレベルゲームの特徴
 3 モデルの精緻化と応用
 4 国際政治学とツーレベルゲーム

第14章 ヘルドのグローバル化論
 1 グローバル化の影響と研究
 2 ヘルドらのグローバル化の分析
 (1)グローバル化に対する多様な見解
 (2)グローバル化の歴史的形態の分析枠組み
 (3)政治のグローバル化
 (4)現代のグローバル化の特徴と国家への影響、「民主化」の課題
 3 グローバル化への処方箋をめぐる議論
 4 グローバル化における政策決定の行方

事項索引
人名索引
執筆者紹介

執筆者など

岩崎正洋(いわさき・まさひろ)
1965年、静岡県生まれ。東海大学大学院政治学研究科博士課程後期修了。博士(政治学)。現在、日本大学法学部教授。〔主著〕『政党システムの理論』東海大学出版会、『政治発展と民主化の比較政治学』東海大学出版会など。

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